中国史 52350002
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Purpose
本講義はZOOMを用いてリアルタイムでオンライン講義をし、その録画をYouTubeにアップロードします。リアルタイム講義に参加した方、オンデマンド方式でYouTubeで講義動画を視聴した方、いずれもフィードバックシートに講義の感想や質問を提出してもらい、その内容から出席を確認します(詳細は第1回講義でお話しします)。まだ教科書には反映されていない、近年の研究成果を踏まえながら、中国とその周辺地域の歴史を概観します。いわゆる「通史」という形ではなく、幾つかのトピックを取り上げる形で歴史過程を概説します。前近代の歴史が中心とはなりますが、前近代社会の特徴が、近代から現代に至るまでの間に失われたのか、残存しているのかを考えることを糸口に、歴史を踏まえた現代社会の再検討を、各テーマごとに試みます。まずは、現代の中国やその周辺地域で生活する人々の、文化や社会を知ってもらおうと思います。そして、その背景にはどういった歴史があるのかを考えていく形で講義を進めます。
Target
大学で学んでもらいたい「歴史学」は、高校までの「日本史」や「世界史」とは異なります。歴史上の出来事や人物、歴史用語や年代を暗記する必要はありませんし、それらをおぼえることも重視しません。本講義を通じて、歴史を「おぼえる」ことよりも、「知る」こと、知ったことをもとにして、「考える」ことを体験して欲しいと思います。――歴史の学びを通じて、多様な文化、価値観、社会を知る。その知識より、他者を理解し、自らを客観的に見つめる視点を身に付け、現代社会が抱える様々な問題を捉え直す―― 本講義が、皆さんにとって、こうしたことを「意識」するきっかけになることが目標です。
Contents
中国の思想と社会① ―― 環境と生活(多様な環境と食文化)中国は欧州諸国がすっぽり収まるくらいの広さがあります。一言で中国と言っても、大きく異なる各地域の地理的特徴、それを背景とした食文化の多様性を紹介します。
中国の思想と社会② ―― 死生観と宗教(仏教と儒教)仏教は中国と異なる環境のインドで生まれました。環境が異なれば死生観が異なります。仏教の死生観、その対極にある中国の死生観、それらはどう日本の死生観と関わっているのかについて説明します。
中国の思想と社会③ ―― 儒教と社会(儒教道徳と宗族)中国の親族の繋がりは日本人には想像できないほどに強く深いものです。その基にある「孝」を中心とした儒教道徳、「孝」の強い繋がりにより構成される「宗族」についてお話します。
騎馬遊牧民の世界➀ ―― 環境と生活(遊牧民の生活風景)中国人の9割以上は漢族によって占められています。しかし、「中国の歴史」は「漢族の歴史」ではありません。隣国モンゴルとそこに住む遊牧民の伝統的な暮らしを紹介します。
騎馬遊牧民の世界② ―― 中華世界との対峙(中国から見た遊牧世界)農耕世界の住人は自らと異なる生活習慣や価値観を持つ人々をどう観察していたのか、また農耕世界と遊牧世界の対抗から生じた「華夷思想」について説明します。
歴史から見る現代社会① ―― 民族と意識(「中国」が意味するもの)「中国」という言葉には国名以外の意味があります。また「中国」や「中国人」の語が指し示す範囲や意味は一定ではありません。その歴史的変遷について説明します。
歴史から見る現代社会① ―― 民族と意識(「国民」と「民族」)西洋より「国民」や「民族」の概念が流入したことで生じた中国の変化について説明します。また自らが「○○人」であるという意識は、どこから生じるのか考えてもらいます。
歴史から見る現代社会② ―― 社会における「責務」と「救済」(「責務」と「救済」の過去・現在・未来)時代や地域や組織によって個人がするべきこと、それを果たして得られるものは変化します。前近代中国、宗教のある社会、現代日本、それぞれの「責務」と「救済」は何であるのかを考えます。
References
講義で配布するプリントをテキストとします。参考文献下記岸本美緒『中国の歴史』筑摩書店(ちくま学芸文庫)、2015年岡本隆司『世界史序説――アジア史から一望する』筑摩書房(ちくま新書)、2018年
Final Test
期末課題はA4で1枚、1200字程度の小論文を提出してもらう予定です。授業全般を通じて考えたことなどを問う内容です。
Grade Policy
期末課題60%、平常点40%で評価します。平常点は、フィードバックシートの提出時間(詳細は第1回講義でお話しします)により3~1点を加点します。また記載された内容を0~2点で評価します。全8回、3×8+2×8=40点です。
Message
高校までの日本史や世界史の基礎知識は求めません。日本史や世界史を選択したことがなくても問題ありません。中国史に限らず歴史一般、歴史に限らず現代の中国やアジア諸地域に興味・関心のある学生の受講も歓迎します。その時、その地域を生きていた人々が、どのような感情を抱き、どのようなことを考えたのかを、当時の人たちの視点から考えてみて欲しいと思います。