捜査と裁判 54520001

西島 和

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1単位 2021年度2Q(前期) 月曜2限 教養 社会性/法学 2〜4年

Purpose

「人は個人として尊重される」という日本国憲法の原則のもと、利害や力関係の異なる個人対個人または個人対組織等の権利相互の調整を実現する機能を果たすべきものが法制度である。法制度がどのようなアクターによってつくられ、法制度の運用はどのような人・組織が行うかを知ってもらい、司法の利用など自分や他人が個人として尊重されるために必要な知識を身に付け、リーガルマインドを養うことをめざす。

Target

法律の趣旨や運用に関する基本的な事実を理解し、事実をもとに自分なりの価値判断や他者とのコミュニケーションを行えるようになること。

Contents

  • 捜査も裁判も、法律をきちんと使うためのしくみである。正しい法律を正しくつかって自分の問題、社会の問題を解決していくために必要な基本的知識を学ぶ。

  • 犯罪の加害者となったら、どのような「民事上」「刑事上」の責任を負うか。犯罪の被害者となったら、誰にどのような支援を求め、救済を得ることができるか。法的責任・救済に関する基本的知識を学ぶ。

  • セックスワークはどのように規制されているのか、子どもがセックスワークを選択する「自由」を保護すべきか、法律の果たすべき役割などを基本的な事実をふまえて考える。

  • 生きるためにするはずの「仕事」で死なない・殺されないためにどのような法律がどのように使われるべきか、法律の改正は必要か、基本的な事実をふまえて考える。

  • 会社の「不祥事」は、多くの人が「違法な行為」をみすごした結果である場合がある。「違法行為」に気づいた人がこれをただすために必要な「内部通報者保護制度」について基本的な知識を学び、組織の中で「おかしいことはおかしい」といえるためにどのようなしくみが必要か考える。

  • 捜査機関や裁判所が無実の人を犯罪者としてあつかう「冤罪」は、人の名誉や自由、時には人生そのものを奪う深刻な犯罪である。冤罪はどのようにつくられるのか、冤罪をなくすために何が必要か、基本的な事実をもとに考える。

  • 公務員は「全体の奉仕者」として法律にしたがって活動しなければならない(法律による行政の原則)が、これに違反して公務員が犯罪を行う場合には市民がこれをたださなければならない。かつて環境NGO職員が国の不正を告発した事例などをもとに、市民が行政をチェックし誤りをただすために必要な考え方などについて学ぶ。

  • 国などが発注する工事は、公正な競争(入札)により低い代金を提示したものが請け負う(落札)が、業者同士が密かに話し合って「だれが、いくらで」落札するかを決めてしまう「談合」という犯罪が行われることがある。「談合」をテーマにした小説を題材に、「組織の中で流されない」ために何が必要かを考える。

References

『空飛ぶタイヤ』池井戸潤著、実業之日本社、2016『鉄の骨』池井戸潤著、講談社、2011『不死身の特攻兵』鴻上尚史著、講談社、2017『日本軍兵士ーアジア・太平洋戦争の現実』吉田裕著、中央公論社、2017

Task

期末試験は実施しない。

Grade Policy

試験は実施しない。レポート提出による評価を行う。講義中に講師が第2、4,6,8回の授業で課題を提出。講義テーマに関する質問を示すのでこの質問に対する回答を講義後に提出してもらう。レポートの内容を「前提事実を正しく把握しているか」「質問を正しく理解しているか」「論理的な思考ができているか」等の基準により評価する。