犯罪者と更生 54530001

西島 和

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1単位 2021年度2Q(前期) 月曜4限 教養 社会性/法学 2〜4年

Purpose

「すべての人は個人として尊重される」という日本国憲法の基本原則は、「間違い」を犯した犯罪者にもあてはまる。この価値観を共有しつつ、犯罪被害者の救済や再犯防止など「厳罰化」の根拠とされる課題をどのように解決し、犯罪者の更生をどのように実現するか、犯罪者の厚生についての海外における実践などもふまえ、他者を排除しない包摂的な社会のあり方を考えてもらうことを目指す。

Target

犯罪対策・再犯防止・更生に関する基本的な事実を理解し、事実をもとに自分なりの価値判断・コミュニケーションを行えるようになること。

Contents

  • 日本で犯罪は増えているのか、どのような犯罪がどの程度起きているのか、「犯罪者」はどのような手続で刑務所へ行くのか(行かないのか)等犯罪をめぐる基本的な事実を学ぶ。

  • 刑罰と「復讐」の関係はどうなっているか、刑罰が犯罪の発生を抑える「抑止効果」とはどのようなものか、「厳罰化」で犯罪は減るのか、少年事件と「厳罰化」の関係などを考える。

  • 刑務所から出て再び犯罪を犯す人はどれくらいいるのか、刑務所にはどのような属性(年代、健康状態等)の人が多いのか、刑務所の処遇について基本的な事実を確認し、日本の刑務所が再犯を防止しているかどうかを考える。

  • 刑務所を出た「犯罪者」はどのように住むところや仕事を見つけ、社会へ復帰するのか、国の「更生保護」の現状について基本的な事実を学ぶ。

  • 犯罪の被害者を支援するためにどのようなしくみがあるのか、被害者は復讐を望むのか、被害者支援に関する基本的な事実を学ぶ。

  • 薬物「犯罪」と薬物依存性の治療との関係について、薬物依存症の人たちを支援する「ダルク」ではたらく薬物依存性当事者のお話をききながら考える。

  • 日本では、刑罰の目的は懲罰(犯罪者を懲らしめて反省させる)であるが、イタリアでは刑罰は「更生を目的としなければならない」と憲法で定められている。イタリアにおける更生のしくみを学び、更生のあり方を考える。

  • 死刑をなくすと重大犯罪が増えるのか、人を殺した人に生きる資格はないのか、殺人犯がしあわせになると被害者は傷つくのか、終身刑と死刑の関係などについて考える。

References

『新・犯罪論 「犯罪減少社会」でこれからすべきこと』荻上チキ・浜井浩一共著 現代人文社 2015『絞首刑』青木理著 講談社文庫、2012『PC遠隔操作事件』神保哲生著、光文社、2017

Task

期末試験は実施しない。

Grade Policy

試験は実施しない。レポート提出による評価を行う。講義中に講師が第2、4,6,8回の授業で課題を提出。講義テーマに関する質問を示すのでこの質問に対する回答を講義後に提出してもらう。レポートの内容を「前提事実を正しく把握しているか」「質問を正しく理解しているか」「論理的な思考ができているか」等の基準により評価する。